審美歯科普及協会

審美歯科について

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歯を失う要因・虫歯・歯周病と審美歯科

ここからは、大切な歯をいかにして守るかが考えるべき問題になっていきます。そのためには、まず「歯を失う原因」から見ていくのですが、ポイントは「虫歯と歯周病が原因の大半」で、「両方とも完全に予防可能」というところです。

審美歯科は、虫歯と歯周病の予防と治療については、「美しい歯」を目指すうえでの大前提として高い技術をもって対応しています。

歯を失う原因・虫歯と歯周病で75%

人が歯を失う2大要因は「虫歯」と「歯周病」です。虫歯が3割強、歯周病が4割強といったところです。それ以外には、物理的な衝撃による破損が1割強あります。

虫歯と歯周病の合計で全要因のうち4分の3に達しますから、このふたつで「大半を占める」と言っていいでしょう。おおまかな傾向としては、幼少期から若年期では虫歯で歯を失うケースが多く、壮年期以降になると歯周病が進行して歯を失うケースが多くなります。

虫歯、歯周病、いずれも日本人がよく知っている身近な疾病ですが、どんなものであるか、ここでくわしく振り返っておきましょう。

 

虫歯とはどんな病気か

医学的・正式には「齲蝕(うしょく)」と言います。口腔内の虫歯原因菌が糖を分解して作りだした酸によって歯のエナメル質や象牙質を侵食し、歯をボロボロにしていく病気です。

口腔内の常在菌、食べ物のカス、唾液などが結びついて「プラーク(歯垢)」が形成され、歯に付着します。歯の表面はもちろん、歯と歯のすき間や歯肉のふちにも付着しますので、歯ブラシ、歯間ブラシなどを使わないとそうじできません。さらに、ミュータンス菌などの虫歯原因菌はみずからの分泌物で「バイオフィルム」を形成していきます。バイオフィルムは皮膜状に菌のコロニーを覆い、ブラシなどによる物理的排除や薬剤から菌を守ります。酸素が苦手な嫌気性細菌の生息・増殖を助けるようにもなります。このようなバイオフィルムが形成されるとますます落ちにくくなります。「歯石」として歯に固着すると、個人が自分で除去するのはほぼ不可能で、歯科医師による歯石除去が必要になります。

バイオフィルムに守られる形で歯に住み着いた虫歯原因菌は、食べ物の糖質を分解し、乳酸などの酸を生み出します。この酸がエナメル質を溶かし、虫歯を発生させます(C1・エナメル質齲蝕)。溶解がエナメル質にとどまっている間はあまり痛みも感じないのですが、そこを突き抜けて象牙質にまで溶解がすすむと、痛みを生じます(C2・象牙質齲蝕)。

さらに、神経と血管が通っている歯髄(しずい)まで齲蝕が進むと、歯髄炎を併発し、はげしい痛みを生じることがあります(C3)。心臓の拍動にともなって脈打つようにズキンズキンと痛む、あるいは、就寝して入眠するところで体温が上昇して痛みを生じさせることもあります。神経と血管が通ったやわらかい組織である歯髄は侵食されやすく、容易に歯根まで齲蝕が進行します。こうなると根管治療が必要となります。最後には歯冠部が崩壊し、歯根のみがかろうじて残る状態になります(C4・残根状態)。こうなると人体は歯を異物とみなし、脱落させてしまいます。C4のレベルまで齲蝕が進むと治療はできなくなり、抜歯するしかなくなります。

 

虫歯と審美歯科

保険適用の範囲内でも、もちろん虫歯の治療は可能です。ただし用いることのできる充てん・補修の材料には限りがあり、審美性の高い仕上がりを目指すには限界があります。

審美歯科では、自然な白さを取り戻せる高度な材料と技術を活用し、機能と耐久性を兼ね備えた美しい歯を取り戻すことが可能です。

歯周病とは

歯そのものではなく、おもにその「周り」で生じる病変が歯周病です。

歯周病は「生活習慣病」のひとつといえます。主要な原因は「歯垢(プラーク)」で、歯垢の除去が不十分な状態が何日もつづいた部位に生じやすくなります。また、喫煙すると唾液が出にくくなり、歯肉の毛細血管が収縮して血行が悪くなりますので、喫煙者の歯周病リスクは大きくなります。

虫歯がほぼ歯だけを侵すのに対して、歯周病はほかの全身疾患と相互作用したり、その原因となったりすることがあります。たとえば、誤嚥性肺炎、細菌性心内膜炎、敗血症、蜂巣炎、壊死性筋膜炎といった疾患には直接的に影響します。そのほか、心筋梗塞やバージャー病(閉塞性血栓性血管炎)、2型糖尿病、HIV感染症、高血圧症を悪化させることがあります。

 

歯周病はおもに歯垢を原因としますが、歯垢を原因としない炎症疾患も含まれます。歯肉に炎症が起こる「歯肉炎」と、歯周組織に炎症と破壊が生じる「歯周炎」のふたつが2大疾患となっています。それぞれの中で多いのは「プラーク性歯肉炎」と「慢性歯周炎」です。

・歯肉炎

おもに歯垢(プラーク)を原因とし、炎症が歯肉だけにとどまっているものを歯肉炎といいます。歯肉ポケットを形成しますが、歯肉組織をこわすところまでは行きません。アタッチメントロス(歯肉の後退)は起こしません。プラークを除去すれば改善・完治できます。

・歯周炎

歯肉炎が進行して歯周炎となります。歯肉だけでなく、セメント質、歯根膜、歯槽骨も破壊されます。アタッチメントロスが生じ、歯周ポケットが形成され、これが深くなることで菌が増殖し、炎症が長引きます。さらに進行するとアタッチメントロスが大きくなり、歯が抜け落ちてしまいます。

 

歯周病と審美歯科

歯周病に対して、審美歯科はその進行の度合いに応じた対応をおこないます。軽度であればPMTCクリーニングやホワイトニングを通した改善・治療が対応します。

重篤に進行して歯槽骨が減ってしまっている場合は、インプラントによる歯の再建をおこなう前提として、患者さん自身の骨の移植による造骨、人工膜などを用いた骨の再生誘導などをおこなうこともできます。