審美歯科普及協会

歯についての豆知識

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歯ぎしりについて

自分が歯ぎしりをしているかどうかは、寝ている間のことですので、自分では気づきません。「朝起きたとき、なんだか奥歯が痛い」など、自覚症状で気がつくケースもないではないですが、家族や友人に指摘されて、「ああ、そうなのか」と初めてわかるパターンが多いものです。
実は、歯ぎしりは想像以上に強いパワーで行われています。歯ぎしり雑学をご紹介しましょう。

歯ぎしりのパワーは?

歯ぎしりとは、力をこめてギリギリと歯をかみ合わせる行為のことです。そのパワーは強く、なんと70kgもの力がかかっています。固い食べ物というイメージがある草加せんべいでも、30kgほどの力でかみ砕けるのです。歯ぎしりの力はその倍以上にもなります。無意識に行われるからこそ、非常に強いパワーがかかるのです。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりというと、「ギリギリ」と音を立てるものを思い浮かべるのがふつうでしょう。たしかにそういうタイプが代表的ではあるのですが、実はそのように音を立てないような歯ぎしりもあるのです。というよりも、実際の話、音を立てない歯ぎしりをする人の方が多いくらいです。

歯ぎしりには以下のような3つのタイプがあります。

 

・グライディング

上下の歯をこすり合わせる、代表的な歯ぎしりは「グライディング」と呼ばれます。下顎を左右に動かし、「ギリギリ」という音を出します。

・クレンチング

音が出ないタイプの歯ぎしりです。上下の歯を強くかみしめるクセを指します。あごの位置は一定で、歯を食いしばる形です。音がしない分だけ気づきにくいところがやっかいと言えます。

・タッピング

上下の歯をぶつけるように動かすタイプです。下顎を速く動かして「カチカチ」と音を立てます。この症例はあまり多くありません。

歯ぎしりのおそるべきリスク

歯ぎしりは、単に音がうるさいだけの問題ではなく、時として深刻な問題につながっていきます。歯ぎしりで起こりうる問題を知っておきましょう。

 

・歯がすり減る、割れてしまう

歯ぎしりで歯にかかる力は非常に大きく、70㎏にも達します。それだけ強い力がかかるので、歯に悪影響があります。
まず、歯自体がすり減り、削れてしまいます。または歯が割れてしまうこともあります。差し歯やインプラントの場合は折れてしまうこともありますし、下顎骨を損傷させてしまうこともあります。
こすり合わせるタイプの歯ぎしりでも、上下の歯をグッとかみしめるタイプの歯ぎしりでも、この問題は起こりえます。歯がすり減ることで知覚過敏が起こることもあります。

・歯周病の発症、悪化

歯ぎしりで加わる過剰な力は、歯だけでなく歯茎にもダメージをあたえます。歯茎にダメージが加わると歯周病菌が増殖しやすくなり、歯周病の発症や悪化を招きやすくなります。

・顎関節症の発症

歯ぎしりによってあごの関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症を引き起こすこともあります。「口を開くとあごが痛い」、「口を大きく開けられなくなる」などの症状があらわれます。

・その他の問題

歯ぎしりによって睡眠の質は下がってしまいます。そのため、昼間眠気を感じることがあります。
また、頭痛、肩こりを引き起こすこともあります。

原因・こんな人は歯ぎしりをしやすい

歯ぎしりの原因は様々ありますが、多くはかみ合わせに問題がある場合です。また、ストレスをためこみやすい人は歯ぎしりをしがちです。
歯の治療をするにあたって抜歯や詰め物などをすると、かみ合わせがアンバランスになり、あごの筋肉のバランスが崩れることがあります。それを補正するため、無意識に歯ぎしりをするようになるのです。
また、ストレスをためこみやすい人は、寝ている間だけでなく、日常生活のさまざまな場面でも思わず歯をかみしめていることが多いです。

歯ぎしりにはどんな対策が?

歯ぎしりの原因を取りのぞくことが第1の対策です。かみ合わせに問題があるのなら、歯科医に相談してかみ合わせを修復しましょう。ストレスが原因なら、お休み前に気分をリラックスさせるような何かを試してみましょう。あごやほおの筋肉をマッサージすることで改善できることもあります。
うつ伏せで寝るとあごに負担がかかりますので、仰向きに寝て自然に寝返りをうてるようにすることも方法のひとつです。
歯ぎしりが重症のようであれば、早めに歯科に相談しましょう。歯ぎしり矯正を行う歯科クリニックもあります。一般的には、夜寝る間「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを装着するようにします。ナイトガードは、歯型をとって作成します。ひとりひとりの歯型に合わせて歯ぎしりの強い力から歯とあごを守ります。歯がすり減ったり欠けたりするのを防止できますし、もちろんうるさい音もしなくなります。
歯科クリニックでは、かみ合わせの調整として補綴治療や矯正治療をおこなうこともできます。補綴治療では、詰め物やかぶせ物が高すぎるケースでそれを調整したり交換したりします。歯並びそのものを改善する矯正治療でも、歯ぎしりが改善されることがあります。