審美歯科普及協会

治療方法のご紹介

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オーラルケア・虫歯にならない食生活

虫歯原因菌に感染している場合

3歳になる前までに口腔常在菌の構成比で虫歯原因菌が少ない状態を確立できれば、ほぼ一生、虫歯から解放されることができます。

ただ、こういう人は日本人の数%程度と言われています。大部分の人には、虫歯原因菌が相当高い比率で存在しているわけです。この場合はオーソドックスな予防法を継続的におこなっていくしかありません。しかし、人類と虫歯の付き合いも長いのです。虫歯の科学も、予防・治療の技術も進歩しています。有効な予防法を確認しておきましょう。

虫歯の予防法

歯みがきは基本中の基本として、それ以外の予防法について確認していきます。

まず、繰り返しますが「フッ素コーティング」は有効です。ミュータンス菌は歯の表面でしか生息できないので、そこをコーティングすれば虫歯の発生を押さえ込めます。

ただ、歯科医院でおこなう高濃度フッ素コーティングでも、しばらくすると落ちてしまいますので、3~4ヶ月おきに再処置する必要があります。

食生活で虫歯予防

歯はそもそも「食べる」ことに関係するものですから、食生活を通じての予防・改善という方向もあります。

キシリトール

「キシリトール配合」などと、よくチューインガムなどに書かれています。商品名でそれとわかるものも多いです。テレビCMでもおなじみでしょう。

キシリトールは、ショ糖(ふつうの砂糖の主成分)と同じくらいの甘味があるにもかかわらず、カロリーはその6割程度しかありません。注目ポイントは、口腔内の細菌に摂取されても酸が産生されないところです。歯を溶かす作用を生み出さないので、「非齲蝕性甘味料」とされます。

キシリトール配合のガムをかむと唾液が出ますので、その殺菌効果、洗浄効果と再石灰化効果を活用できます。またガムは最後に吐き出しますので、数百億個もの菌をガムに付着させて排出することもできます。少々お行儀が悪い嗜好品というイメージがあるガムですが、虫歯予防という観点から見るとなかなか優秀なものなのです。

間接的清掃性食品

梅干しや酢の物は「間接的清掃性食品」とされます。両方ともすっぱいので歯に悪いような印象があるかもしれません。しかし実際は唾液が出るのをうながしますので、殺菌と再石灰化に役立ってくれます。なお、梅干しは実は「アルカリ食品」で、肉などを食べることで酸性にかたよった人の身体を中和する作用もあります。

直接的清掃性食品

繊維の多い食品、たとえばにんじん、ごぼう、レタス、セロリなどの野菜やキウイ、リンゴなどフルーツは、「直接的清掃性食品」とされます。かむことにより歯や粘膜の表面がきれいになり、唾液が出るのをうながし、あごの発達につながります。「かむ」という歯の基本機能を果たさせることが直接利益をもたらすことから、「直接的」とされるわけです。

歯を強くすることにつながる食品

歯の状態がよくないときには無理は禁物ですが、固い食品をワイルドにガリガリいくのも歯によいことです。固いせんべいをかみ砕く快感は脳にもつたわりよい刺激となります。

また、カルシウムを多く含む食品はもちろん歯によいです。ビタミンA、ビタミンCを豊富に含む食品ものぞましいものです。そうしますと、魚介類、海藻類は総じてよいということになります。

カルシウムということでは牛乳および乳製品も歯を強くすることにつながります。チーズもいいですが、ナチュラルチーズだと脂肪分や塩分など、歯とは別の方向で問題になるところがありますので、食べ過ぎには注意が必要です。ヨーグルトももちろん良いのですが、フレーバー付きのものですと、糖分がある点には気をつけましょう。プレーンでも砂糖が付いているものもあります。キシリトールなど代替の甘味料があればそちらに切り換えたいところです。

さて、ビタミンAはエナメル質を強化すると言われています。にんじん、パセリ、海苔、わかめ、抹茶などに豊富に含まれます。

ビタミンCは象牙質の形成に貢献します。ビタミンCが豊富な食品はポピュラーなものが多いのでみなさんご存知でしょう。まずレモン。さまざまな食品のビタミンC含有量の比較基準になるくらい代表的です。レモンもそうですが、柑橘系のフルーツはだいたいビタミンCが豊富です。ほかにフルーツではキウイ、アセロラなど。野菜では、トマト、芽キャベツ、ほうれん草、ケール、パセリ、ピーマンなどがあります。

お茶

お茶に含まれるポリフェノールであるカテキンやフッ素には抗菌作用があるので、ある程度の虫歯予防効果もあります。仕事などで食後に歯を磨くことができないときには、お茶を飲んで口をすすいでおくと多少の効果はあります。

お茶としては、抹茶、煎茶、玉露、番茶、茎茶、芽茶、粉茶、ほうじ茶、玄米茶、豆茶、釜炒り茶、玉緑茶といったものがあり、どれも有効です。

日本茶は茶葉を発酵させないのですが、ウーロン茶は発酵を70%ほどで止めて乾燥します。発酵を途中で止めると、烏龍茶特有のポリフェノール(苦味成分)が生じ、これには歯垢の発生を抑えるはたらきがあります。

また、紅茶は茶葉を100%まで発酵させます。紅茶にはフッ素も含まれているので歯をムシ歯から守り、丈夫にする作用があります。

日頃から歯を意識する

虫歯が悪化する最大の原因は「放置すること」です。

大人でも子どもでもあることですが、「虫歯の治療は痛い」という理由で、忙しさなどを口実についつい対処を先延ばししてしまいがちです。それが確実に虫歯を悪化させ、治療を困難にし、しかも結局、痛みもひどいものにしてしまいます。みんな頭ではわかっているのに、ついつい……というありがちなお話。

逆にいえば「早ければ早いほど、痛みも軽く、お金も安く済む」わけです。虫歯も、その兆候も、なるべく早め早めにとらえることが望ましいでしょう。

虫歯は、C1の段階、つまり齲蝕がエナメル質にとどまっている間はあまり痛みがありません。見た目でも侵食が進まないうちは色が白いので、たいていはよくわかりません。

しかし、たとえば冷たいものを飲んだときに「歯にしみる」ような感じがすることがあります。「知覚過敏」といいますが、えてして一過性で、しばらくすると気にならなくなることが多いです。

しかし、知覚過敏は何らかの歯のトラブルの予兆かもしれないので、注意をはらった方がいいでしょう。というのは、しみるような刺激を感じているのはエナメル質ではなく、その下の神経に直結している象牙質だからです。「歯にしみる」と感じるということは、エナメル質がうすくなっているか、または、エナメル質に覆われていない歯の付け根部分の象牙質が露出しているか、というふたつの可能性が考えられます。前者であれば、エナメル質が虫歯に侵食されてうすくなっているかもしれませんし、後者であれば、歯周病のために歯茎が縮退しているのかもしれません。

こういった可能性がありますので、一過性のものであれ、知覚過敏を感じたら歯科医に相談するくらいのつもりで、気にかけておくようにしましょう。最近は知覚過敏に効く歯磨き粉やリンスなどの製品もあり、それらを使えば知覚過敏は抑えられますが、それで済ませないでトラブルの有無を確認する方がいいです。

知覚過敏に限らず、歯やかみ合わせのちょっとした違和感に常日頃から注意をはらっておくことは、虫歯を予防するうえで大切です。

そして、そういった日頃の注意を活かすには、歯科医師・歯科衛生士によるクリーニングを3ヶ月に一度くらい受けるサイクルを習慣にすることです。虫歯であれ歯周病であれ、歯の病気の進行はそれほど速くありません。3ヶ月に一度くらいの定期メンテナンスの直後にそれらのトラブルが発生することは考えにくく、発生するとすれば次のメンテナンスの時期が近づいてからのことでしょう。次のメンテナンスのときに、歯に違和感があったことを医師に伝えれば、それで十分に早期対応になります。

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