審美歯科普及協会

治療方法のご紹介

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オーラルケア・虫歯の予防について

虫歯の予防という観点からオーラルケアについて考えます。虫歯の予防については歯周病予防よりも少しすそ野が広いので、プラーク除去以外の部分についても広く触れていきます。

虫歯は感染症である

虫歯は、ミュータンス菌に代表される虫歯原因菌による感染症です。

感染症ということは、原因菌に感染しなければ発症しないわけです。インフルエンザのウイルスに感染しなければインフルエンザにはならないのと同じで、虫歯原因菌に感染しなければ、虫歯にはならないのです。

新生児がいる、これから子どもが生まれる方

お母さんのお腹の中は無菌環境ですから、お母さんが垂直感染する病原菌に感染していないかぎりは、生まれたばかりの赤ちゃんは何の菌にも感染していません。もちろん虫歯原因菌にもです。

そのような、虫歯原因菌未感染の新生児をお持ちの方、あるいは、近い将来に赤ちゃんをもうける予定のある方はラッキーです。なぜなら、そのお子さんに「一生虫歯にならない歯」をプレゼントできるチャンスに恵まれているからです。

口内常在菌の構成比は2歳までに確立し、ほぼ一生変わらない

どんなに歯磨きしても、デンタルリンスしても、あるいはまた歯科でクリーニングしても、800種もいる口内の常在菌はごく短期間その数を減らすだけで、少しするとまた元の生息数を回復します。だから除菌してもキリがないのですが、しかしその構成比、どの種類の菌が全体の何%を占めているかという比率は、何度除菌クリーニングしても変わらないのです。ほぼ一生、死ぬまで変わりません。

そしてその「どの菌が全体の何%」という構成比は、3歳になるまでには確立されます。その時期までに、乳酸桿菌やミュータンス菌など虫歯原因菌の比率が10%や20%以上など高率を占めていると、その人は虫歯になりやすいでしょう。逆に、虫歯原因菌が数%以下という低い構成率でしかいない場合、その人は一生、非常に虫歯になりにくいのです。

実は、この文章を書いている筆者自身が、そういう人間なのです。現在52歳になりますが、今まで一度も虫歯になったことはありません。いや厳密にいえばC1程度の虫歯には何度もなっているのでしょうが、虫歯原因菌の勢力が弱すぎて、気付かないうちに再石灰化して治っているのです。

虫歯原因菌の感染をさける

ということで、3歳の誕生日をむかえる頃合まで虫歯原因菌への感染をさけることができれば、お子さんに「一生虫歯にならない歯」をプレゼントできます。

では、そのために気をつけたいポイントを押さえましょう。お子さんの口腔に虫歯原因菌を入れないようにするための注意点です。

できるだけ初乳を飲ませる

出産後5~7日くらいまでの間に出る母乳は「初乳」と言って、強力な制菌作用をもつラクトフェリンや、各種の抗原物質を豊富に含んでいます。無菌状態で生まれてきて、それゆえにこそ免疫をほとんど持っていない新生児に、各種雑菌への感染をさける免疫系をセットアップさせてあげるために、重要な役割を果たします。できるだけ初乳は飲ませてあげてください。

親御さん自身が虫歯を治療し、歯をクリーニングする

できればお子さんが産まれる前からはじめておきたいことです。虫歯を治し、定期的にクリーニングすれば、お子さんに感染させてしまうリスクは低減されます。何よりも、ご自身の歯がより美しく、健康になります。

かみ与えをしない、キスしない、食器を共用しない

お子さんがかわいいのはわかります。しかし、物心つかないうちにお子さんのファーストキスをうばってしまうのは感心しません。ここがいちばんの危険ポイントです。口腔と口腔の間で菌交換がおこなわれる局面だからです。親御さんが少し固い食材をかみ砕いてお子さんに与える「かみ与え」も禁物です。

また、「間接キス」もさけましょう。箸やスプーンの共有・共用をさけてください。親御さんが使っている食器で「はい、あーん」と与えるのは不可ということです。

砂糖や甘味にハマらせない

ミュータンス菌は「糖」を分解して酸を生成し、歯を溶かします。糖が好きな菌なのです。ですから、「エサを与えない」という作戦も有効です。

子どもは甘いものが好きですので、よろこぶからということでついつい与えてしまいがちですが、ほどほどにしておきましょう。少なくとも3歳の誕生日をむかえるまでで良いので、できるだけ与えないようにしてください。

なお、キシリトールなど人工合成甘味料は歯に問題を起こしにくいことが知られていますので、問題ないように思われるかもしれませんが、「甘味」であることにはちがいないので、あまり小さいうちから慣れて好きになりすぎても、生活習慣病など将来の別の問題につながるかもしれません。また、キシリトールには弱いながら下痢をうながす作用がありますので、大量に与えるのはやはりよくありません。

フッ素コーティングをおこなう

フッ素コーティングは3歳以上の虫歯原因菌に感染してしまった人についても有効な対処法です。歯の表面にフッ素でバリアを張って、虫歯原因菌の付着を防ぎ、その仕事をさせないように妨害します。

歯科医院でおこなう「高濃度フッ素」、家庭で毎日おこなえる「低濃度フッ素」があり、後者はうがい薬、歯磨き粉添加、スプレーなど何種類かの薬形があります。比較的安価に、継続的に使用できますので、有効です。

なお、歯は6~7歳から乳歯が抜けて永久歯に生えかわりはじめます。生えたばかりの永久歯は表面がざらざらしているという特徴があります。そのため汚れがつきやすいうえに、酸によって溶かされやすくもなっています。永久歯が生えたら、できるだけ早くフッ素を使った予防をおこないましょう。

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