審美歯科普及協会

治療方法のご紹介

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審美歯科治療の最新動向

「早い」・「安い」・「キレイ」・「身体にやさしい」が審美歯科のトレンド

新技術が次々と開発されたことにより、審美歯科の治療はますます早く、安く、より美しく、そして身体にやさしく(低侵襲に)なってきています。

「早い」――――短期間・少ない通院回数で治療が終わる

歯が痛いまま、あるいは前歯が欠けたままなど、歯や口腔内に何か問題を抱えたまま何週間も何ヶ月も過ごすのはイヤなものです。
「一刻も早くなんとかしたい!」
……誰もがそう思うことでしょう。

歯科の治療は、今から20年ほど前まではかなり時間がかかるものでした。たとえばインプラントなどは、かつて1年半ほどもかかっていました。

それが現在では、手術そのものは最短で1回で済む手法が利用できるようになっています。1回の手術で、その日のうちに固定式の義歯(または仮歯)が装着でき、食べ物をかむことができるようになるのです。

たとえばALL-ON-4という手法は、あごの骨に埋め込むフィクスチャーを最少で4本とするもので、パーツが少ない分、処置は早く済みます。

また、部分義歯についても、かつては歯科技工士が腕をふるって時間をかけて作るものが主流でしたが、今は歯科用CTで歯列の3Dデータをとり、それをもとに義歯をCAD(Computer Aided Design)で設計し、CAM(Computer Aided Manufacture)で製作して、早ければその日のうちに義歯を設置できる方式が現れています。

「安い」――――人件費その他のコストもダウン

通院の期間や回数が短く、少なくなれば当然それはコストダウンにもつながります。処置そのものにかかる費用ばかりではなく、交通費や時間的コストといった患者サイドに重くのしかかっていた負担も減ります。

上記の歯科用CTとCAD/CAMによる技師作製では、歯科技工士を長時間拘束することなく義歯ができますので、人件費の面でもコストダウンになります。

また、短期集中治療プランでよく使われるのが「無痛治療」です。

通常の局所麻酔、鎮静法、全身麻酔と段階があります。

通常の局所麻酔では、近年は「極細の針をつかう」、「表面麻酔という《麻酔の麻酔》をつかう」、「麻酔薬液を体温に近くする」、「注入ペースを一定に保つ」といったくふうをほどこし、痛みを大幅に低減させています。

鎮静法は、笑気ガス吸引や静脈注射によって意識レベルを低くし、半分眠っているような状態にして苦痛を一切感じないようにします。

全身麻酔は、麻酔科医による全身管理のもと、完全に意識がない状態で処置をおこないます。

これらは上下あご全体のインプラントなど大がかりな口腔外科手術に向いています。通常の麻酔では何度も必要になってしまう手術を1回で済ませることができるようになります。そのため、短期の治療が可能になるのです。

こうした先進的な麻酔を利用することでも、トータルのコストを下げることができるケースもあります。

「キレイ」――――セラミック、ジルコニアの高い審美性

イメージ通りのキレイな仕上がりが期待できる審美歯科の技法・材料も今は豊富な選択肢があります。

虫歯を削った跡に入れる詰め物(インレー)、削った跡にかぶせるクラウン、あるいは義歯の歯冠部分には、自然な白さと輝きを持つセラミック素材、あるいはジルコニア素材がおすすめです。

セラミック

セラミックは言ってみれば「焼き物、陶磁器」のような素材です。白い磁器があるように、自然の歯にちかい白さの仕上がりが可能です。クラウンやインプラントのアバットメント・歯冠部分では金属をいっさい使わない「オールセラミック」ができます。金属アレルギーがなく、歯茎が黒ずんでしまうこともありません。

ジルコニア

あらゆる点で歯科用素材として最高品位をほこるのがジルコニアです。

ジルコニアは二酸化ジルコニウムの通称です。歯科用に使われるものは二酸化ジルコニウムに酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウムのいずれかを添加した「安定化ジルコニウム」と呼ばれるものになります。

ジルコニアは別名「模造ダイヤ」とも呼ばれますが、硬度はダイヤモンドほどではなく、サファイアやルビーに準じる程度です。この硬度が義歯の素材として絶妙で、硬すぎてかみ合わせる相手の歯を痛めることがなく、それでいて「かむ」機能を十分に果たせるうえ、20年もの長期的使用に耐える耐久性を持ちます。

美しく、実用的で長持ちする――――それがジルコニアです。ジルコニアはそのすぐれた特性により、トレンドとなっています。

「身体にやさしい」――――低侵襲治療の追究

身体にやさしい、負担が大きくない治療の技術も、審美歯科の現場では広く普及してきています。

まず虫歯の治療については、「MI・ミニマルインターベンション」という考え方が提唱され、基本理念ととらえられるようになっています。
 「ミニマルインターベンション」は2002年のFDI宣言で示されたカリエス(齲蝕・虫歯)治療に関する新しい概念です。Minimal Interventionの頭文字をとってMIと略されます。Minimal Interventionは「最小限の介入」という意味で、「虫歯の歯科医学的管理において、できるだけ歯を削らないようにする」という目標を表します。

その実現のためにすべき5つの具体的方針が示されています。

(1)口腔内細菌叢の改善
 虫歯は「感染症」であるととらえ、感染予防と発症予防を優先します。

(2)患者教育
 ブラッシング、および虫歯に関する知識を指導します。

(3)エナメル質および象牙質の非齲窩性病変の再石灰化
 初期の軽微な虫歯は、削らずに再石灰化を優先します。

(4)齲窩性病変への最小の外科的介入
 進行して穴を開けてしまった虫歯でも、削る歯質を最低限にします。

(5)不良修復物の修理
 精度が低く適合していない、あるいは破損した修復物を交換・修理します。

これらの方針で、歯を削る、抜歯するといった患者の身体的負担をできるだけさけ、予防、再石灰化を優先します。患者教育では、糖質をとりすぎないようにするなどの指導をおこないます。

進んだ虫歯の治療でも、ダイアグノデントのようなすぐれた虫歯診断装置、レーザー光やエアプレイジョンによる虫歯治療、ドックベストセメントのように歯の温存可能性を高める治療などがおこなえるようになった現在、MIという目標は実現されやすくなっています。

他方、審美歯科で歯冠を美しく修復する技法としても、ティーシーズやルミネアーズなど、歯を削ることなくうすくて耐久性のある素材を貼り付ける方法が利用されることもあります。ラミネートベニアも同じく「貼り付ける」という発想の手法ですが、こちらは歯を削る必要があるため、侵襲性は高くなります。

また、インプラント治療のALL-ON-4も、フィクスチャーの本数が少なく何回もの手術が必要ないという点では低侵襲の治療法であると言えます。

このように、審美歯科の領域では「身体にやさしい」治療が普及しています。