審美歯科普及協会

治療方法のご紹介

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審美歯科治療の最新技術

レーザーで痛くない虫歯診断を実現・ダイアグノデント

虫歯の診断は、「探針(たんしん)」と呼ばれる先端が針になった道具で歯をつつきながら目視でおこなう形が主流でした。しかし、20年ほど前からこの針が初期の虫歯を悪化させているという議論が起こってきており、使用を避ける歯科医が多くなっています。

また、肉眼での目視による診察には限界があり、どうしても見落としが避けられません。

そこでX線によるレントゲン撮影を応用する診断方法もおこなわれます。しかし、何本もの歯を頻繁にレントゲン撮影することは放射線被曝の問題があり、患者の身体に負担をかけます。

こうした問題をクリアした新しい虫歯診断法が登場しています。「ダイアグノデント」という装置を用います。

虫歯レーザー診断機・ダイアグノデント

ダイアグノデントという装置は、レーザー光を歯に照射し、その反射光をとらえて歯質の状態を検知し、音と数値で表示するものです。

歯質の状態が数値化されますので、視診、触診、X線だとどうしても起きてしまう見落としを減らすことができます見間違える可能性も低減することができます。目視だけの観察だと、単なる着色の部分を虫歯と判断して、必要もなく削ってしまうということも起こりえます。レーザー光による解析は虫歯に侵されている部位を的確に示しますので、削りすぎを大幅に減らすことができます。

また、ごく初期の虫歯は、唾液のリン酸カルシウムにより再石灰化し、自己修復されることがあります。ダイアグノデントによる数値化でかなり軽度と判断できる虫歯に関しては、あえて削らず、その部分を入念にブラッシングするようにします。しばらくしてからもう一度その部分をダイアグノデントで診断し、状態に応じて処置を考える形です。

「削る」から「管理」へ

虫歯の検査はその時にある虫歯を見つけますが、その虫歯の経過を観察することはむずかしいものです。しかし、ダイアグノデントを使えば虫歯の状態を数値化して経時的に管理できるようになります。

ダイアグノデントにより、歯科医院での虫歯の治療は「見つけてすぐに削る治療」から「進行状況に合わせて適切な管理をする治療」へと変化しつつあります。
削られる歯が少しでも少なくなれば、それはより美しくキレイな仕上がりにつながります。

ダイアグノデントの使い方

ダイアグノデントを使うと、虫歯をレントゲンや見た目だけでなく数値化して客観的に診断できます。

ダイアグノデントの使い方はむずかしくありません。細長いハンドピースを口の中に入れ、歯の一本一本に対してレーザー光を照射します。初期のダイアグノデントは本体とハンドピースがケーブルでつながっていましたが、最新型ではケーブルのないコードレスになり、照射装置をペンのように使えるようになりました。

ハンドピースは波長655nmのレーザー光を発します。これの反射光を拾うと歯の状態が測定できます。虫歯の齲蝕がある歯質からは700~800nmの反射光が生じていますので、この光の量で虫歯の程度を評価します。測定できると、小さな音がしてインジケーターに数値が表示されます。

その数値が0~14ならば特に処置の必要がない歯ということになります。15~40ならば、フッ素塗布などの予防処置が必要と判断します。41~69は予防処置が必要で、場合によっては削って詰める処置が必要になります。これはそれぞれの患者の唾液検査をしながら判断します。数値が70以上になっている場合は、予防処置では治療できないところまで進行していると考え、削って詰めることになります。

ダイアグノデントを使うメリット

ダイアグノデントを使う虫歯診断には次のようなメリットがあります。

  • レントゲン、肉眼で発見できない初期の虫歯を発見できる
  • 探針などでCOをつついた時に起きる齲蝕の破壊・悪化が生じない
  • 探針などでは発見できない「しずく形状」の裂溝の底の虫歯も発見できる
  • 虫歯の経過を数値的に追えるため、経過観察中の虫歯の進行度合いが把握でき、ミニマルインターベンション (MI) に役立つ

前述のように、「虫歯を見つけたらすぐに削る」という治療ではなく、「進行状況に合わせて適切に管理する」治療がダイアグノデントによって実現するのです。以前は肉眼で「疑わしい」と診断されただけでも、「早期発見・早期治療」の名のもと、早い段階で削って詰めるのが歯を推奨される治療法とされてきました。そうしますとどうしても「抜く・削る」ことが多くなり、美しくキレイな仕上がりを実現するには限界もありました。

これに対し、ダイアグノデントは数値化して客観的に虫歯の程度を評価できるので、以前なら削って詰めていた虫歯であっても経過観察しながら予防処置をおこなうことで治せるようになりました。

一度削ってしまった歯は元通りにはなりません。詰めものの隙間に菌が入って再発するリスクもあります。こうした点から考えても、ダイアグノデントには、より美しい治療の仕上がりにつながる大きなメリットがあるのです。

ダイアグノデントのこれから

現在のところ、ハンドピースの形状からいってダイアグノデントを根管治療に応用することはむずかしくなっています。歯根にある細くて入り組んだ複雑な構造に対応できないためです。

しかし、根管治療における歯根部分の除菌状況を評価するためにダイアグノデントを応用する方法は研究が進んでいます。遠からず実現するでしょう。

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